家族に迷惑をかけてまで続けようとは思いません

プロフィール

AVに出演したきっかけ

高校を卒業して特にやりたいこともなかった私は、ファミレスやコンビニでアルバイトをしながら生活をしていました。
19歳になったばかりの頃に渋谷で声をかけられたスカウトの方に風俗も紹介してもらいました。それが風俗業界へ足を踏み入れたきっかけです。
その頃はまさか自分がAVに出演することなどまったく考えていなかったのですし、風俗でそこそこ稼げていたのですが、ある日、AVプロダクションの方に声をかけられて、大きな抵抗もなく、契約してAVに出演することになりました。
自分でこんなことを言うのはどうかと思うのですが、寂しがりやという面もあったのかもしれません。好きでもない人とセックスをすることに昔からそこまで抵抗はなかったです。求められたら断れない性格でした。
友達から汚い目で見られても、よくできるね、なんて言われても全く気にしませんでした。寂しさを埋めるままに生活してました。

AVを削除しようと思ったきっかけ

AVの仕事を続け、有名な女優さんとの共演もあったり、私自身はそれなりに楽しみを感じながら撮影をしていました。自分がAV女優だということを友人にも隠すことなく、いつもオープンでいました。そんな時、田舎にいる母親から電話がありました。
「あんた、なんか変なビデオに出てる？」親にバレるとかバレないとか、あまりそういうことを気にしてなかった私は、「出てるよ。」と素直に認めました。
母親は絶叫し、「お願いだからやめて」と泣き始めました。好きなことを仕事にし、たくさんお金を稼いでいるのになぜそんなことを言われるのか分からず、それ以降、母親からの電話は無視し続けました。
それから半年ほど経った頃、弟からメールが届きました。「お前のせいで会社から自主退職を促された。」そのメールを見た時、さすがに私はハッとしました。
父親からもメールが届き、「仕事を辞めないなら、家の戸籍からお前を抜く。」そんな内容でした。自分のやってきたことに後悔はありませんでしたが、私は誰かを傷つけるつもりなど全くありませんでした。
でも自分のせいで家族全員が迷惑をしている…
私の中でそれは矛盾でもあり、一体何が良くて何が悪いのか、私はどうしたらいいのか、まったく先が見えない状態になっていきました。とても仕事ができるような精神状態ではなくなり、しばらく家に引きこもる生活をしていました。
「仕事ができなそうなら引退にしようか。」事務所からもそう言われ始め、私はAV業界から引退をすることにしました。
AV女優としては私など全くの小物で、有名な女優さんはたくさんいます。
有名な女優さんは一体家族とどういう関係なのか、そんなことが気になって色々な女優さんのツイッターやブログ記事を見ていました。そんな時、販売停止やAVの削除をしているAVソリューションという専門機関があることを知りました。私はどういうことなのか気になって、とりあえず連絡をしてみることにしました。

AVソリューションに相談した結果

AV女優としての自分の人生を隠してるわけではなかった私は、特に削除をお願いするつもりは無く、ただ話を聞くぐらいの気持ちでご担当者さんにお会いしました。
過去の作品やインターネット上の情報を削除するのは一体どういうことなのかを質問し、その方はとても丁寧に1時間ほどかけてお話をしてくださいました。
依頼をした方の中には、私のような女の子もいること、自身の結婚が破談となってしまった女の子がいること、就職ができなくて悩んでる女の子がいることなど、私が知らなかっただけでAV女優さん達は自分の過去にとても苦しんでいるんだと、初めて聞くお話にただただ驚きました。
私は、自分自身の人生、何をしてもかまわないと思っていましたが、そのせいで家族が苦しむのであればそれはあまり良いことではないな…と考えるようになり、自分の人生とも言えるAV女優としての過去を抹消しようと決意しました。私の作品は大手メーカーから販売された作品が多く、とても広い範囲で認知されていたこと、裏ビデオの作品もあったりで、ネットの量は多い方だったようです。
短期間では削除しきれないけれど、だいたい半年間を目安に削除を進めていきますと言われました。
これで弟を含め家族が少しでも落ち着いてくれるなら、、、という気持ちでした。半年たった頃、本当に私の情報がネット上から無くなっていました。検索してもほとんど出なくなっていたのです。
多少残っていましたが、残っているものも「2ヵ月あればある程度削除できそうです」と言っていただき、その通りにしてもらいました。
弟の再就職も決まり、家族とは縁を切らずに済んだことは、ご担当者様のおかげだと思っています。
これからは自分だけではなく、周りの人達の幸せも想いながら生きていこうと思えるきっかけを頂きました。
いつか子供ができた時のことを考えても早めにある程度でも消しておいてよかったと思っています。 本当にありがとうございました。