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AV強要などの問題点を改善する目的で第三者組織が誕生

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AV業界のコラムです

AV業界改革推進有識者委員会の発足

AV業界改革推進有識者委員会の発足

AVの出演強要など撮影に関わる問題や法整備についての問題点をヒューマンライツ・ナウが報告書として公表してから約1年が経った2017年4月に、第三者機関「AV業界改革推進有識者委員会」が発足しました。
志田陽子さん(武蔵野美術大学教授)を代表とし弁護士ら4人で構成しています。
AV強要をなくす仕組みを作ったり問題点の改善について提言を行うことが主な役割です。
これまでにない組織の誕生で、大きな期待が寄せられる中、提言している規則やルールには法的な拘束力が一切ないなど課題もまだまだ多く残っています。
発足した「AV業界改革推進有識者委員会」は、一般の企業で不祥事や問題があった後に結成され調査が始まる「第三者委員会」とは異なります。
あくまで第三者としてAV業界に問題点を提言していき、業界の問題を減らしたり健全化にしていくことが目的で、それらの対象は委員会が定めている「適正AV」になります。

問題を提言していくAV業界の範囲

AV業界に提言するといっても一体どこの範囲かわかりませんね。
事務所や、メーカー、カメラマン、女優さん男優さん、そしてそれらの販売サイトなどなど、AVに関わる人は多岐に渡ります。
どういった作品に対して問題点の提言をしていくのか次のように定めています
委員会は、業界の団体の一つであるNPO法人知的財産振興協会(IPPA)に加盟しているメーカーが制作したAVで、かつ自主規制団体の審査を受けている作品を対象としています。
つまりIPPAに加盟していないメーカーはもちろん、海外から配信している無修正動画や、個人の方がアップしているAVや、違法な児童ポルノ等はその範囲に含まれていません。
IPPAに所属しているメーカーは200を超える集合体です。日本である程度有名なメーカーはだいたい含まれていると思います。

具体的に改善すべき点

2017年4月に東京都内で開かれた会見では「業界が守るべき規則22条」について説明がありました。
一体どんな改善点が挙がっているのでしょうか。具体的に見て行きましょう。

自己決定権の尊重


「自己決定権」を尊重し、出演を望む女優とだけ契約する事を徹底すること、侮辱、ハラスメント、望まぬ 演技の強要など出演者らの精神面の健康が損なわれないよう注意することが挙げられています。
これによりAV強要などの被害を防ぐことになります。

年齢確認の徹底

また出演する女優などの年齢確認をさらに厳格に実施し複数の方法で確認を行うようにして、きちいんと個人情報として保管しておくことの重要性についても言及がありました。
ギャラ(出演料)など金銭面においても透明化を図っていくことが挙げられています。

法的拘束力はなし

これについては今後の課題です。委員会の規則には法的拘束力がないので、仮にメーカーが違反しても罰則は業界団体から外される程度にしかなりません。
しかし、山口弁護士は、「適正AV」とそうでないAVとの線引きをはっきりさせることに意味があると指摘しています。
線引きをはっきりさせることで女優を非合法業者から守ることができると言っています。
しかし、AVに初めて出演する女性は「適正AV」という言葉を知らないような気もします。
長年女優をしている人ですら知らない人も多いので。
今後この言葉をどれだけ認知させられるかにもよりますが、多くの女性は10代あるいは20代前半であり、勧誘を受けている相手が、合法業者なのか非合法業者なのかの判断はなかなか難しい側面もあると思います。

表現者ネットワーク(AVAN)について

AVANとは2016年7月に元AV女優の川奈まり子さんが設立した団体です。
女優さんなどAVの出演者をサポートし業界の健全化を図っていく団体です。
委員会と同じく本人の意思が尊重される事を重視していました。AVに出演する人が契約するメーカーによって不利益をうけないように、統一契約書の作成を目指したり、また女優さんが引退した後の職探しを支援する活動もしています。
川奈さんは、今回の第三者機関発足について「AVANで困難だった契約の整備の実現や、女優さんがもらう出演料の透明化を進めて欲しい。『適正AV』という考えも広がって欲しい」と言っています。
また、今まで審査を受けてこなかったメーカーも今後は(適正AVとして認められるために)審査を受けなくてはいけないという動きが広がることにも期待をしています。